Subject  : 免疫性血小板減少症(ITP)

カテゴリー: 健康・医療情報 


 免疫性血小板減少症(ITP)
免疫性血小板減少症 (Immune thrombocytopenia, ITP)は、白血球、赤血球に異常なく、血小板の破壊と産生障害により血小板の単独減少を生じる自己免疫性疾患である。 血小板に対する自己抗体により、血小板が主として脾臓のマクロファージに捕捉・破壊される結果、血小板減少をきたす。

ウイルスなどの感染を防ぐために免疫がはたらいて、抗体がつくられ、これが抗原(ウイルスなど)と結合してできた免疫複合体が、偶然に血小板と結合する性質をもってしまうためにおこると考えられています。
また、慢性の場合は、血小板を抗原とする抗体ができてしまい、抗原抗体反応で血小板が減少する自己免疫疾患の一種と考えられています。

 【症状と診断】
 皮膚に点状出血がみられ、鼻、歯ぐき、尿路などから出血しやすくなります。女性では、性器からの出血や月経過多もおこります。  これらの症状が、急性では急激におこり、慢性では徐々におこってきます。  重症になると、胃腸などの消化管や頭蓋内での出血をおこして、生命が危険になることもあります。  ひどい貧血、発熱、リンパ節の腫れなどはみられません。

 【治療】
血小板の減少がひどく、重要な臓器から出血する危険があると判断された場合は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の使用、血小板の輸血(成分輸血)などが行なわれます。
 慢性の患者さんのうち、血液1mm3 中の血小板数が5万個以上あれば軽症なので、治療をせずに経過をみます。
 血小板数が5万個以下である場合は、つぎのような順序で治療します。 @ステロイドの使用
 1日に体重1kgあたり1mgのプレドニゾロンを、4週間続けて使用し、その後、1〜2週間ごとに5〜10mgずつ減らしていきます。
 こうして8〜12週間かけて1日10mgまで減らし、その後はこの量を続けます。薬を減らすのは、この薬の副作用を予防するためです。
 この治療で、約80%の人は血小板が増加しますが、薬の量を減らすと血小板数も減少することが多く、この治療だけで治ったり軽快する人は、全患者さんの3分の1くらいです。
 ⇒ 血液の主な病気

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