Subject  : 末梢神経障害

カテゴリー: 健康・医療情報 > 薬学 


 末梢神経障害
 手足にいく神経は、脳から背骨の中をとおり、末梢神経として手足に繋がります。神経は、脳からの指令を電気信号のようなもので手足に伝えたり、手足の感覚をやはり電気信号のようなもので脳へ伝える仕事をしています。背骨からでたあとの神経を末梢神経といいますが、これは脳や脊髄と違って骨で守られていないため、手足の動きや筋肉などによって痛みやすいことが知られています。このようなものを末梢神経障害といいます。つまり、手足のしびれの原因で最も多いのは、脳や背骨の病気ではなく、この末梢神経障害によるものです。

末梢神経は、手足にいく途中に<関所>のような狭いトンネルを通りますが、そこで障害されることで、ビリビリとしたしびれや痛み、手足の動きづらさを起こします。このような病気は、MRIやCTなどの検査では見つけることができず、神経を専門とする医師が診察することで病気を見つけることになります。

症状が強いと手術も行いますが、脳や背骨の手術と比べ、低侵襲に体への負担の少ない手術が行える利点があります。主な症状はしびれや痛みですが、病気によっては、手足が麻痺することもあるため、専門の医師に診てもらうことをお勧めします。

運動神経の障害は、手足の筋力が低下したり、筋肉が痩せてきたりする。 感覚神経の障害は、しびれや痛みが生じたり、逆に感覚が鈍くなったり、消失したりする。 自律神経の障害は、手足の発汗障害や異常知覚などがみられる。
これらの障害は単独で生じることもありますが、通常は複合されて症状が現れます。

また、末梢神経障害は、全身の末梢神経に多発的に生じる「多発性末梢神経障害」と、主に一つの神経に生じる「単末梢神経障害」とに分類されます。「多発性末梢神経障害」の原因は、糖尿病などによる全身の代謝性疾患、薬剤・重金属などによる中毒性疾患や感染性の疾患、及び遺伝性や特発性(原因が不明)のものなどがあります。「多発性神経障害」は、主に内科で治療が行なわれます。「単末梢神経障害」は、一つの末梢神経が周囲のなんらかの組織(靱帯・腱・骨・腫瘍など)に圧迫されて障害されるもので、「機械的神経障害」または「絞扼性(こうやくせい)神経障害」とも呼ばれます。整形外科では、主に「単末梢神経障害」の治療が行なわれます。

 ● 単末梢神経障害
 主な単末梢神経障害には、「橈骨(とうこつ)神経麻痺」「正中(せいちゅう)神経麻痺」「尺骨(しゃっこつ)神経麻痺」「腓骨(ひこつ)神経麻痺」などがあります。

 ⇒ 心臓病(循環器疾患)の薬と働き

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