Subject  : 後天性凝固因子欠乏症

カテゴリー: 健康・医療情報 > 自己免疫疾患


 後天性凝固因子欠乏症
 後天性凝固因子欠乏症は、血液凝固因子が自己抗体の有害作用によって後天性に著減するために、止血栓の形成が不良となったり、物理的抵抗性、抗線溶性が減弱するために、自発性又は止血負荷に際して重度出血症状を呈する疾病である。 理論的には、すべての血液凝固因子に対して自己抗体が生じうる。ここでは、欠乏する凝固因子の種類により、
1)「自己免疫性後天性凝固第XIII/13因子(FXIII/13)欠乏症(旧称:自己免疫性出血病XIII)」
2)「自己免疫性後天性凝固第VIII/8因子(FVIII/8)欠乏症(後天性血友病A)」
3)「自己免疫性後天性von Willebrand factor(VWF)欠乏症(自己免疫性後天性von Willebrand Disease(VWD))」
4)「自己免疫性後天性凝固第V/5因子(FV/5)欠乏症(いわゆるFV/5インヒビター)」
5) 「自己免疫性後天性凝固第X因子(FX)欠乏症」の5疾病を対象とする。

 【病因】
 自己抗体によるそれぞれの標的凝固因子の活性阻害(いわゆるインヒビター)や、自己抗体と標的凝固因子との免疫複合体が迅速に除去されるために各凝固因子が減少すること(クリアランス亢進)が、出血の原因となる場合が多いと推測される。多彩な基礎疾患・病態(他の自己免疫性疾患、腫瘍性疾患、感染症など)、妊娠/分娩を伴っているが、症例の約半数は特発性である。後天的に自己抗体が生じる原因は不明であるが、多因子疾患で、高齢者に多いことから加齢もその一因と思われる。

<出典:難病情報センター>
 ⇒ 血液の主な病気

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]