Subject  : SIRVA(ワクチン接種に関連した肩関節障害)

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 SIRVA(ワクチン接種に関連した肩関節障害)
 SIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)は、「ワクチン接種に関連した肩関節障害」と訳され、ワクチン接種後に生じる肩の急性炎症(肩関節周囲炎、滑液包炎、腱板炎など)で、肩の疼痛の持続・可動域制限(腕が上がらなくなる、後ろに回らなくなるなど)が発生します。症状や病態は四十肩や五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎に近い状態と考えられます。

原因は三角筋下滑液包(三角筋という肩の筋肉の深い場所にある袋)内への不適切な薬剤注入によると考えられていますが、個人個人や年齢によって解剖学的構造は少しずつ異なりますし、現実的にワクチンの注入部位や深度を証明するのは困難で、手技に関わらず起こる可能性もあります。

また、SIRVAには腋窩神経損傷も含まれているかもしれません。ワクチン筋肉注射に関する多くの手技解説には、穿刺部位について「肩峰から3横指(5cm)下」と書かれていますが、その部位には三角筋を支配し肩関節の外転を司る腋窩神経が走行しています。ワクチン接種後に肩を挙上しにくいなどの症状が出たら腋窩神経損傷の可能性もあると思います。診断の際には両肩を十分に露出した上で三角筋の収縮力の低下を観察します。

 ■ 診断
 ワクチン接種した腕のかゆみや痛み、腫れや熱感、赤みが出てくることがあります。こちらも数日で自然軽快します。 ワクチン接種から数日経っても安静時に軽減することのない強い肩の痛みが続く場合は、肩関節の超音波検査(エコー)やMRIで、摂取部位の三角筋ではなく、肩関節の滑液包を中心として広範囲に炎症を示す所見があれば、より積極的にSIRVAを疑うことができます。初期の治療としては、滑液包内へのステロイド投与を検討します。早めに整形外科へ受診することをお勧めします。

<出典: >
 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]