Subject  : ウェルナー(Werner)症候群

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 ウェルナー(Werner)症候群
 ウェルナー(Werner)症候群は、1904年にドイツの医師オットー・ウェルナー(Otto Werner)により初めて報告された稀な遺伝病です。この病気は、思春期を過ぎる頃より急速に老化が進んでいくようにみえることから、「早く老いる」病気=早老症のひとつといわれています。20歳代から白髪、脱毛、両目の白内障がおき、手足の筋肉や皮膚もやせて固くなり、実年齢より「老けて見える」ことが多くなります。糖尿病や脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)も多く、かつては多くの患者さんが40歳代で悪性腫瘍や心筋 梗塞 などにより亡くなっていました。今では治療法の進歩により寿命が延びて50〜60歳代の方もいらっしゃいます。その一方で足先や肘などの深いキズがいつまでも治らず(難治性皮膚潰瘍)、感染を繰り返して足を切断してしまうなど、なお多くの患者さんが大変な日常生活の苦労を強いられています。

WRNと呼ばれる遺伝子の異常が原因と考えられています。私たちのからだの設計図であるDNAが傷ついた時に修理する役割を担っているのがWRN(DNAヘリカーゼともいう)です。しかし、WRNの異常によりなぜ老化が早く進むようになるのかはまだ分かっていません。

 【症状】
 20歳代以降に白髪・脱毛などの毛髪の変化や、白内障(両目の場合が多い)、かん高くかすれた声などの症状がおきてきます。また腕や脚の筋肉がやせ、皮膚も固く薄くなり、深いキズができて治りにくくなります(難治性皮膚潰瘍)。身長は低いことが多く、レントゲンではしばしばアキレス腱や皮下の石灰化(カルシウム成分が溜まること)が見つかります。また糖尿病や脂質異常症になる方が多く、性ホルモンの働きが落ちてくる更年期なども早い年齢から起こりやすくなります。

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