Subject  : 巨細胞性動脈炎(指定難病41)

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 巨細胞性動脈炎(指定難病41)
 巨細胞性動脈炎は、 血管炎と呼ばれる病気のグループに含まれ、高齢の方に起こり、主に頭部の動脈がつまって症状を起こす、珍しい病気です。血管を顕微鏡で観察すると巨細胞という核をたくさん持つ巨大な細胞がみられるため、巨細胞性動脈炎と名づけられました。2015年より厚生労働省の定める指定難病に認定されました。

いまのところ原因は不明です。副腎皮質ステロイドが効くことなどから、免疫の異常によって起こる自己免疫疾患と考えられています。

【症状】
1) 全身炎症症状
熱が続く、だるい、つかれやすい、体重が減る、筋肉が痛い、関節が痛い、など。
2) 各血管の症状
(1)首から頭に行く動脈の症状
今までに経験したことがないタイプの頭痛、頭の片側が痛い、食べ物を噛んでいるうちにあごが痛くなって噛み続けられなくなる、下あごが痛い、首が痛い、など。
(2)目に行く動脈の症状
片方または両方の視力低下ないし失明。
(3)脳に行く動脈の症状
めまい・失神、力が入らない、手足が動かない、話しづらいなど。
(4)大動脈の症状
背中が痛い、など。
(5)腕に行く動脈の症状
腕が痛い、腕が冷たい、腕がすぐにだるくなって使えなくなる、(手首のところで)脈が触れにくい、など。
(6)足に行く動脈の症状
足が痛くなるので休み休み歩く、足が冷たい、など。
3) 合併する病気
巨細胞性動脈炎の方の約40%は、リウマチ性多発筋痛症を合併します。

【治療法】
 プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド(ステロイド)の飲み薬で治療します。ステロイドは、巨細胞性動脈炎に対して最も確実な治療効果を示します。ステロイドは、最初に定められた用量を用い、熱や頭痛などの症状が改善したら、用量を減らしていきます。 30-50%程度の方がステロイド減量中に症状が再度悪化します。 1)ステロイドだけでは効果が不十分な場合、または、 2)ステロイド減量中に症状が悪化するためステロイドを減らせない場合、 3)ステロイドの副作用のためステロイドを減量する必要がある場合には、トシリズマブ(保険適用あり)という生物学的製剤や、メトトレキサート(保険適用なし)などの免疫抑制薬をステロイドと組み合わせて使います。
<出典:難病情報センター>
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