Subject  : 先天性大脳白質形成不全症(指定難病139)

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 先天性大脳白質形成不全症(指定難病139)
 中枢神経系の髄鞘の形成不全により大脳白質が十分に構築されないことによって起こる症候群である。生直後からの眼振と発達遅滞、痙性四肢麻痺、小脳失調やジストニアなどの症状を呈する。代表的なものはペリツェウス・メルツバッハ病(PMD)である。PMDを含め、下記のこれまでに11疾患が同定されている。
(1)ペリツェウス・メルツバッハ病
(2)ペリツェウス・メルツバッハ様病1
(3)基底核及び小脳萎縮を伴う髄鞘形成不全症
(4)18q欠失症候群
(5)アラン・ハーンドン・ダドリー症候群
(6)Hsp60シャペロン(chaperon)病
(7)サラ病
(8)小脳萎縮と脳梁低形成を伴うび漫性大脳白質形成不全症
(9)先天性白内障を伴う髄鞘形成不全症
(10)失調、歯牙低形成を伴う髄鞘形成不全症
(11)脱髄型末梢神経障害、中枢性髄鞘形成不全症、ワーデンバーグ症候群、ヒルシュスプルング病

 【原因】
 古典型滑脳症はLIS1、DCX、TUBA1Aなどの遺伝子変異が原因である。ミラー・ディカー(Mほとんどが遺伝性である。11疾患全てにおいて原因遺伝子が同定されている。最も頻度が高いPMDはPLP1遺伝子の変異で起こる。それ以外に、GJC2、TUBB4A、MBP、SLC16A2、HSPD1、SLC17A5、POLR3B、FAM126A、POLR3A、SOX10などの遺伝子の異常でおこる事が知られている。一方で、臨床的に先天性大脳白質形成不全症と診断された患者の3分の2程度でしか原因遺伝子変異が見いだされておらず、上記以外にも未同定の疾患原因遺伝子が存在すると思われる。

 【症状】
 末梢神経障害の合併の有無により2群に分類される。PMDでは、生直後から遅くも1か月程度までに眼振に気づかれる。著明な発達遅滞を主徴とし、生後から半年程度までは筋緊張低下、錐体路障害による痙性四肢麻痺。1歳過ぎに小脳症状としての企図振戦、2歳頃にはアテトーゼ様の異常肢位が発現してくる。それ以外の疾患では、これらの症状以外に他の随伴症状を呈する事がある。

 【治療法】
 痙攣・痙性に関して各種抗痙攣薬・筋弛緩薬が対症療法として用いられるが、現在のところ、根本的な治療法はない。

<出典:難病情報センター>
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