Subject  : ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん(指定難病143)

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 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん(指定難病143)
 乳幼児期に発症する小型運動発作(ミオクロニー発作、失立発作、脱力発作など)を伴うてんかん群は、その特異な発作型や治療抵抗性で世界的に早くから注目されてきた。中でも1歳以上になってから発症するものとしてレノックス・ガストー症候群(Lennox-Gastaut症候群:LGS)が、全般性遅棘徐波と強直発作、非定型欠神発作などの多彩な発作型を持つ独立したてんかん症候群として確立されたが、その後、Dooseらは正常発達幼児で、遺伝性素因を背景としミオクロニー脱力発作を主徴とする「ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん」を提唱した。潜因性LGS、乳児重症ミオクロニーてんかんや乳児良性ミオクロニーてんかんとの異同が問題となった時期もあるが、1989年国際てんかん症候群分類より独立したてんかん症候群として認知された。

 【原因】
 痙攣性疾患の家族歴が高頻度であり、遺伝性疾患が想定されているが、まだ不明である。

 【症状】
 てんかん発症前の発達は正常、5歳未満の発症(2〜5歳が最も多い。)で、てんかん発作型は主発作型として@ミオクロニー屈曲発作、Aミオクロニー脱力発作/脱力発作によるてんかん性転倒発作が最も重要で必須である。@ミオクロニー屈曲発作では、一瞬の躯幹の前方屈曲、特に腰のところで屈曲し、勢いよく前方に放り投げられるように転倒し、Aミオクロニー脱力あるいは脱力発作では、文字通り、全身あるいは立位を維持する姿勢制御筋の突然の脱力により、患者が転倒する。しかし、意識障害はなく、すぐに回復し立ち上る。その他にB非定型欠神発作(重積)、全般性強直間代発作を合併する。睡眠時の全般性強直発作は、一部の予後不良例に合併することが多い。脳波所見では焦点性脳波発射は希で、全般性2〜3Hz棘徐波と背景脳波に頭頂部優位単律動6〜7Hzθ波の存在が特徴とされる。

 【治療法】
 抗てんかん薬治療に抵抗性とされるが、バルプロ酸、エトスクシミド、ラモトリギンなどで効果が期待される。これらが無効の場合ACTH治療、ケトン食治療の有効性が高い。

<出典:難病情報センター>
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