Subject  : B型急性肝炎

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 B型急性肝炎
 感染して1〜6ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。典型的な症状の症例では、尿の色は濃いウーロン茶様であり、黄疸はまず眼球結膜(目の白目の部分)が黄色くなり、その後皮膚も黄色みを帯びてきます。症例の中には、肝炎の程度が軽くて、自分では気が付かないうちに治ってしまう例もあります。しかし、中には激しい肝炎を起こして生命を維持できない状態(肝不全)となる、いわゆる劇症肝炎になることもあります。一般に、劇症化に至らない場合には、数週間で肝炎は極期を過ぎ、回復過程に入ります。発症時には後述のHBc抗体、HBs抗原、HBe抗原が陽性となりますが、1〜2ヶ月でHBs抗原、HBe抗原は陰性化し、その後HBe抗体、HBs抗体が順次出現します。しかし、HBe抗体やHBs抗体が陽性にならない症例も時々みられます。

 【症状・診断】
 B型肝炎は一般にA型肝炎より重篤で、死に至ることもあります(特に高齢者の場合)。軽症のこともあれば、非常に重症(劇症肝炎と呼ばれます)のこともあります。B型肝炎の患者がD型肝炎を併発すると症状はいっそう重くなります。
ほとんどのB型肝炎患者で、ウイルス性肝炎の典型的な症状がみられます。具体的な症状としては以下のものがあります。

食欲不振
全身のだるさ(けん怠感)
発熱
吐き気と嘔吐
黄疸(皮膚と白眼が黄色に変色すること)
B型肝炎では、他の肝炎ウイルスの場合より、関節痛やかゆみを伴う赤いじんま疹(膨疹)がよくみられます。

症状は数週間から最大で6カ月持続します。
劇症肝炎が生じた場合、非常に速く状態が悪化することがあります。正常であれば肝臓で除去されるはずの有害物質が血液中に蓄積して脳に到達し、 肝性脳症を引き起こします。数日から数週間で昏睡状態に陥る可能性があります。劇症肝炎は肝移植を行わなければ死に至ることがあり、成人では特に死亡リスクが高まります。

 【治療法】
 B型急性肝炎に対する特別な治療法はありません。
飲酒によってさらに肝臓が障害されるため、B型肝炎の患者は禁酒すべきです。特定の食べものを避けたり活動を制限したりする必要はありません。
ほとんどの場合、黄疸が消えれば安全に仕事に復帰することができます。
かゆみが生じた場合、経口投与するコレスチラミンによってかゆみが緩和することがあります。
劇症肝炎が生じた場合、抗ウイルス薬(通常はエンテカビルまたはテノホビル)を使用します。これらはいずれも経口薬です。これらの薬は生存の可能性を高めます。

<出典:>
 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]