Subject  : おいしい水

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  おいしい水
 水道水よりも市販されているミネラルウォーターがおいしいと感じる 人が多いと思います。
 入っている成分が違うから、味が違うのでしょうか? しかし、ミネラルウォーターに入っているのは、マグネシウムやカルシウムなどの 鉱物イオンだけで、それらにはほとんど味を感じません。 それでは何が違うのかというと、水分子の立体的な集合構造の違いに関係が あるそうです。
 水は、酸素1つと水素2つからできている分子で、酸素が−、水素が+の電荷をやや帯びています。そのため水中では、ある水分子中の酸素とその隣の水分子の水素が電気的に引き合っている状態にあります。その結果、水は水中でクラスター(いくつかの水分子の集まり)を作っています。
 湧き水(ミネラルウォーター)がおいしいのは、このクラスターがある一定の構造・大きさに揃っているためだそうです。山の上の方に振った雨水は、長い年月をかけて地中を通り、湧き水として出てきます。その水は、何十年もたつ間にクラスターが最も安定な構造をとり、人体に非常に吸収されやすく、かつ喉ごしが良くなるそうです。
 ただ、そのクラスターができるには温度がポイントとなります。0℃以下では凍ってしまうので適度な大きさのクラスターができません。逆に、水温が高すぎると水分子の動きが活発になるため、この場合もクラスターはできずにバラバラになってしまいます。では、何℃が良いかというと、5℃前後くらいが良いそうです。
 水は、0℃から4℃の間にあるときクラスターを形成し、水中で、あるまとまった構造を持ちます。水の密度は4℃で一番高くなると言われていますが、それもここに原因があるそうです。さて、4℃以下だとクラスターがどんどん大きくなってしまうのでおいしい水はできません。つまり、長期間に渡ってほどよい温度がキープされることが重要なようです。
年代物のワインはおいしいと言われますが、お酒にも水と同じことが当てはまります。
 お酒を温度の低いところで長期間寝かせると、アルコールと水分子が安定なクラスターを形成し、喉ごしの良いおいしいお酒になるというわけです。また、作られたばかりの時はアルコールはアルコール分子同士で集まっていますが、長期間寝かせることで水とアルコールがよく混じり合い、口当たりがまろやかになることもおいしくなる理由の1つだと言われています。
 クラスターは、暖かくなると壊れてしまいます。つまり、どんなに高級な年代物であっても、いったん暖まってしまったらすべて水の泡。
 また、水も同じことが言えます。つまり、「おいしい水」は暖まるとおいしくなくなるのです。「おいしい水」がきちんと冷蔵されて輸送・保管されていないとまずい水に なってしまいます。 当然、火を通す料理に、おいしくする目的で使ってもまったく意味がありません。冷たいままで飲みましょう。
 ただし、ミネラルが豊富に入っているので、栄養面では大いに効果的です。しかも、水に溶けた状態なので、非常に体に吸収されやすいようです。

● 水の硬度
 水の硬度は以下の式で表されます。
  硬度=(カルシウムの量×2.5)+(マグネシウムの量×4)
 ここで、それぞれの鉱物の量は、1リットル中に含まれるmg数の値です。
 水の硬度は50以下を軟、50〜100をやや軟、100〜200をやや硬、200以上を硬とされています。硬度が高すぎるとしつこい味がし、低すぎるとコクのない味となるようです。Ca(カルシウム)は味を良くし、Mg(マグネシウム)は苦みを出します。そして、Ca:Mgが3:1〜4:1程度がおいしい水の条件とされます。ちなみに、水中の鉄分は渋く、マンガンは苦く感じます。
 ところで、ヨーロッパの水は硬度が200〜400あります。日本の水はだいたい60前後の軟水であり、それに慣れた日本人は硬度の高い水を飲むと下痢をしやすいといわれます。これは、硬度の高い水の成分の1つであるMgが、しばしば硫酸マグネシウムという形で溶けていることが原因の1つだといわれています。この物質は、下剤として薬になっているので、当然だと言えます。
 ここで、世界各地のだいたいの硬度を低い順に載せておきます。 ネス湖(10)、ニューヨーク(20)、六甲のおいしい水・東京(60)、カイロ(100)、那覇(200)、ロンドン(300)、北京(400)、ヨルダン川(700)
 ヨーロッパの水の硬度が高いのは、白亜紀の石灰岩層が多く分布していること、平野や丘陵地が多く、水の流れが遅いことに原因があるとされています。この条件が揃うと、土壌からCaとMgが溶出しやすくなるからです。
沖縄の人の水の硬度は、他の地域に比べて異常に高くなっています。 沖縄にはさんご礁やさんご礁を起源とする石灰岩が広く分布しており、 その影響と考えられます。
 水に二酸化炭素が溶けていると、新鮮でさわやかな味になるそうです。これは、水中に二酸化炭素が溶けてできた、炭酸が舌や胃の神経を刺激するためだとか。  また、水温は10〜17℃が適温のようです。温度がそのくらい低いと、水中の不純物の臭いを感じなくなり、おいしく飲めるそうです。


 ⇒ 無機質(ミネラル)の生理作用と欠乏症状
 ⇒ ミネラルウォーター


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