Subject   : 気管と気管支

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 気管
喉頭と肺との間にあって、この2者を連結する管で、上方の大部は1本の気管をなすが、その末端は胸腔内において左右の気管支に分かれて、肺門から肺内部へ進入する。気管および気管枝は上下に連なる軟骨輪とその間を連ねる輪状靭帯およびこれらの基礎の内面を覆う粘膜からできている。

 第7頸椎の高さで輪状軟骨の下縁から始まり、食道の前方を下行し第5頸椎の高さで左気管支および右気管支に分かれる。ここを気管分岐部という。気管分岐部では左、右気管支の中央の間壁が気管支鏡では突出して観察され、これを気管竜骨という。気管壁には14−18の気管軟骨がある。 気管はその所在部位により、頸部および胸部の2部に区別される。頸部の上部では頸正中部に浅在して、下方へ向かって次第に深在する。気管頸部の前方に舌骨筋および甲状腺峡部があり、外側に甲状腺の側部および頸部血管がある。後方は食道に接する。胸部は上縦隔にあり、左右両側には腕頭動脈(右)あるいは総頸動脈(左)が走行する。なお、若年者では胸骨との間に発達する胸腺をはさむ。後面は食道の前壁と接着している。
 気管支
 気管支は気管分岐部から左右両下外側方に走り肺門にいたる部で、左側は食道の前方でこれと交叉する。左、右両気管支はその太さ、長さおよび走行を異にする。すなわち右気管枝は短くて広く、長さ3cm、左気管支は長くして狭く、長さ5cmであり、正中線となす角は右は25°、左は45°、従って右の方が急傾斜している。このため吸い込まれた異物は多くが右の気管支に入りやすい。

 ⇒ 呼吸器系

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