Subject   : リンホカイン(lymphokine)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 リンホカイン(lymphokine)
 リンホカイン(lymphokine)とは抗原などによって刺激されたリンパ球が産生する生物学的活性をもった可溶性因子の総称。 ほとんどはタンパク質で,分子量1万〜10万。 現在100種近くが報告されている。 ごく微量で標的リンパ系細胞に強力に作用して,細胞性免疫応答を発現させたり調節したりする。

サイトカインのうち、リンホカインに属するものには、インターロイキン、インターフェロンα、リンホトキシン、コロニー刺激因子(CSF)などがある。

 ■ サイトカイン
 サイトカインとは主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、標的細胞表面に存在する特異的受容体を介して極めて微量で生理作用を示し、細胞間の情報伝達を担う。 産生細胞による区別が難しいことからこれらの生理活性物質の総称として、サイトカインを用いるようになった。

サイトカイン同士は複雑なネットワークを形成し、協調や拮抗など相互に作用し合うことで免疫系全体を制御している。特に一つのサイトカインが産生されるとそれに呼応して次々に他のサイトカインが誘導されてくる現象をサイトカインカスケードと呼び、炎症応答等に関与することが知られている。サイトカインには多くの種類があり、特に免疫・炎症反応等の生体防御に関連したものが多くみられるが、細胞増殖や分化、細胞死や治癒等に関連するものもある。代表的なもので、インターフェロン(IFN)、インターロイキン(IL)、ケモカイン(CCLなど)、コロニー刺激因子(顆粒球コロニー刺激因子:G-CSF、エリスロポエチンなど)、腫瘍壊死因子(TNF)、増殖因子(EGF、FGF、TGF-βなど)などが挙げられる。中でもTNF-αやIL-6等の生体内の様々な炎症症状を引き起こすサイトカインを炎症性サイトカインと呼び、一方でIL-10やTGF-βのような炎症症状を抑制する働きを有するサイトカインを抗炎症性サイトカインと呼ぶ。

 ⇒ サイトカイン

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