Subject   : A型肝炎ウイルス

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 A型肝炎ウイルス
 A型肝炎ウイルスはピコルナウイルス科のヘパトウイルス属に属する直径27ナノメートルの球形粒子で、エンベロープ(被膜)はない。1本鎖RNAウイルスで、酸および胆汁酸成分に耐性があるが、100℃5分間の加熱で完全に不活性化する。小児には感染をしていながら症状を示さない不顕性感染が多く、高齢者には重症化率が高い。経口的に感染する。

ピコルナウイルス科ヘパトウイルス属のRNAウイルスである。ウイルスの外側の膜構造であるエンベロープはない。A型肝炎ウイルスは50度の加熱や強酸性でも安定である(ただし85度以上1分の加熱により失活する。)。よって胃酸によって不活化することはない。 <出典:Wikipedia>

 HAVは培養細胞において増殖性であるが、培養細胞を用いた患者糞便検体からのウイルス分離には長期間かか る。また、継代培養により培養細胞に馴化した株でも、増殖速度は他のピコルナウイルスに比較して遅く、一般的に細胞障 害効果(CPE)は示さない。特定の細胞にCPEを示す株もあるが、馴化の過程での遺伝子変異によるものである。生物学的に野生株は肝臓に強い親和性を 持っているが、他の肝炎ウイルス同様、ウイルスの増殖により細胞を殺すことはない。肝 炎は宿主免疫反応を介して起きる。  HAVは酸耐性であり、熱、乾燥などにも強い。エーテルなどの脂溶性物質、界面活性剤、蛋白分 解酵素などに耐性であるが、高圧滅菌、UV照射、 ホルマリン処理、塩素剤処理などで失活する。また、高度精製HAVは微量の水銀イオンなどにより失活し、抗原活性も失われる。

 ■ A型肝炎
  HAVは糞口感染で伝播する。潜伏期は2?6週間であり、発熱、倦怠感などに続いて血清トランスアミナーゼ (ALTまたはGPT、ASTまたはGOT)が上昇する。食思不振、嘔吐などの消化器症状を伴うが、典型的な症例では黄疸、肝腫大、濃色尿、灰白色便など を認める。まれに劇症化して死亡する例を除き、1?2カ月の経過の後に回復する。トランスアミナーゼの正常化に3?6カ月を要する例や、正常化後に再上昇 する例もあるが、慢性化せず、予後は良好である。

 他の急性ウイルス性肝炎と比較して、A型肝炎の臨床症状での特徴は、発熱、頭痛、筋肉痛、 腹痛など、いわゆる肝炎症状が強いことがあげられる。しかし、臨床症状や肝障害の改善は早い。肝機能検査では、他の急性肝炎の場合よりAST、ALT、 ALP、LDHなどが高い傾向があるが、正常化するまでの期間は最も短い。他の血清検査ではIgMの増加、チモール混濁反応 (TTT値)で判定される膠質反応の上昇が特徴的である。成人では小児に比べ、臨床症状も肝 障害の程度も強い傾向がある。肝外合併症としては、急性腎不全、貧血、心筋障害などが知られている。

 ⇒ ウイルスの種類

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