Subject   : コドン(codon)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 コドン(codon)
 コドン(codon)とは、核酸の塩基配列が、タンパク質を構成するアミノ酸配列へと生体内で翻訳されるときの、各アミノ酸に対応する3つの塩基配列のことで、特に、mRNAの塩基配列を指す。DNAの配列において、ヌクレオチド3個の塩基の組み合わせであるトリプレットが、1個のアミノ酸を指定する対応関係が存在する。この関係は、遺伝暗号、遺伝コード(genetic code)等と呼ばれる。

ほぼ全ての遺伝子は厳密に同じコードを用いるから、このコードは、しばしば基準遺伝コード(canonical genetic code)とか、標準遺伝コード(standard genetic code)、あるいは単に遺伝コードと呼ばれる。ただし、実際は変形コードは多い。つまり、基準遺伝コードは普遍的なものではない。例えば、ヒトではミトコンドリア内のタンパク質合成は基準遺伝コードの変形したものを用いている。

遺伝情報の全てが遺伝コードとして保存されているわけではない。全ての生物のDNAは調節性塩基配列、遺伝子間断片、染色体の構造領域を含んでおり、これらは表現型の発現に寄与するが、異なった規則のセットを用いて作用する。これらの規則は、すでに十分に解明された遺伝コードの根底にあるコドン対アミノ酸パラダイムのように明解なものかも知れないし、それほど明解なものではないかも知れない。

 ■ 開始コドン
 翻訳の開始を意味するコドン。メチオニンをコードするアミノ酸配列。RNAではAUG、DNAではATG。遺伝子によって規定されるアミノ酸配列は、メチオニンをコードする開始コドン(ATG)から始まります。従って、全てのタンパク質のN末端はメチオニンから始まりますが、このメチオニンはタンパク質合成後に多くの場合は除去されてしまいます。近年、AUGとは異なるコドンからRNA翻訳が開始される非典型的翻訳が起こることが報告されている。非典型的翻訳は主にeIF2に依存しているとされる。

 ⇒ オミックス(Omics)

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