Subject   : Gタンパク質

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 Gタンパク質
 Gタンパク質は、 グアニンヌクレオチド結合タンパク質の略称であり、GTPまたはGDPを結合して活性のON/OFFを行うことにより、細胞内情報伝達に関与する。

このうち、 Ras に代表される 低分子量GTPアーゼ (分子量は20から30kDaほど 単量体で機能し、細胞内の プロテインキナーゼ カスケードに関与する)一群と、グアニンヌクレオチドを結合するαサブユニットのほかにβ、γのサブユニットからなる「三量体Gタンパク質」と呼ばれる一群に大別される。. 三量体Gタンパク質は Gタンパク質共役受容体 (GPCR)と共役して セカンドメッセンジャー カスケードに関連する。

<出典:Wikipedia>

 ■ Gタンパク質機構
 Gタンパク質機構は多くの信号伝達において重要な役割を果たしており、薬や毒に反応しやすい標的となっている。クラリチン(Claritin、抗アレルギー薬)やプロザック(Prozac、抗うつ薬)など現在市場に出回っている薬の多くは、ヘロイン、コカイン、マリファナなどの乱用麻薬の多くと同様に、一連の信号伝達においてGタンパク質共役型受容体(G-protein-coupled receptor、GPCR)として働く。コレラ菌は、重要な場所にヌクレオシドを付加することによって、Gタンパク質に直接作用する毒素をつくる。この調整によってGタンパク質は活性状態が続くようになる。これによって特に腸内細胞の体液バランス調節が乱され、感染者は水分、ナトリウム、塩素を失って脱水症状に陥る。

Gタンパク質は信号を細胞膜内側表面にに中継する。その過程は、受容体が対応するホルモンや神経伝達物質(アドレナリンなど)に結合することにより始まる。それによって受容体の形状が変化して、不活性型3鎖Gタンパク質の内側に結合する。そしてGタンパク質からGDP分子を追い出され、GTPと置き換えられる。GTPは小さな環状領域(図中に赤色で示した部分)に形状変化が生じ、Gタンパク質は2つの部分に分かれる。自由になったαサブユニットにはGTPが結合していて、これがアデニリルシクラーゼを見つけるまで膜に沿って移動する。見つかると小さな環状領域は酵素に結合してGタンパク質は活性化される。活性化されたアデニリルシクラーゼは大量の環状AMPを作り出し、それが信号として細胞全体に広がる。そして最後に、活性状態のαサブユニット内にあるGTPは分解されてGDPになり、Gタンパク質は再び形状を変えて不活性な休息状態となる。

この方法を用いる主な利点の一つは、信号を増幅できることである。ここに示した一連の信号伝達において、1つのアドレナリンの信号分子が多くの環状AMP分子の生産を促すことができる。アデニリルシクラーゼのように酵素を並べることによって、細胞外から来た弱い信号を細胞内の至るところへの強い信号へと変換することができる。

 ⇒ シグナルトランザクション(signal transduction)

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