Subject   : ヒストンメチル化

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 ヒストンメチル化
 ヒストンのメチル化は、ヒストン分子のアルギニンやリジン残基に生じ、遺伝子発現の促進、抑制、どちらにも働きます。例えば、Set1というヒストンメチル化酵素がヒストンH3の4番目のリジンをメチル化すると、遺伝子の発現が促進されます。一方、Suv39h1などのヒストンメチル化酵素によって9番目のリジンがメチル化されると、HP1と呼ばれるタンパク質が結合し、ヌクレオソームが凝縮し、ヘテロクロマチンの形成が促進されるため、転写が抑制されます。ヒストンメチル化酵素も多くの種類があります。

ヒストンのメチル化は、ヒストンメチル化酵素(histonemethyltransferase: HMT)によって誘導されます。 現在、よく解析されているのはヒストンH3K9のメチル化です。 メチル化されたK9を HP1(heterochromatin protein 1)が認識して結合します。

● ヒストンメチル化酵素Suv4-20h2
 Suv4-20h2はヒストンタンパク質H4の20番目のリジン残基をトリメチル化してH4K20me3を生成するヒストンメチル化酵素である。同酵素よってH4K20me3が生成されると、HP1と呼ばれるタンパク質が結合し、ヌクレオソームが凝縮し、ヘテロクロマチンの形成が促進されるため、H4K20me3が付加されたゲノム領域では、転写が抑制されることが知られている。Suv4-20h2は、ゲノムの安定性、老化、テロメアの伸長などに関わっていることが報告されている。

 ⇒ ヒストン (histone)

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