Subject   : 代謝性アシドーシス

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 代謝性アシドーシス
 代謝性アシドーシスとは酸性物質が排泄されない、不揮発性酸性物質が過剰に産生されている、重炭酸イオンが排泄されているなどの理由から起きるアシドーシスである。なお不揮発性酸性物質とは呼吸によって排泄されない酸のことである。代謝性アシドーシスによるアシデミアが存在する場合、緩衝系の働きとして二酸化炭素を排泄する呼吸性アルカローシスを用いてアシドーシスを打ち消そうとする。よって呼吸が激しくなり、自覚症状として呼吸困難感を覚えることもある。

代謝性アシドーシスにはアニオンギャップ(AG)が増加するものと、増加しない高クロール血性代謝性アシドーシスがある。AGの増加はそれだけで代謝性アシドーシスが存在するといえる重要な所見である。気をつけなければいけないこととしてAGは低下する病態が存在することである。具体的には低アルブミン血症、IgG多発性骨髄腫、ブロマイド中毒、高カルシウム血症、高マグネシウム血症、高カリウム血症が存在する。特に低アルブミン血症のためAGの増加がマスクされることはよくあり、アルブミンが1mg/dL低下するごとにAGは2.5〜3mEq/L低下することが知られている。これはアルブミンがアニオンであるためである。もしAGが増加していたら補正重炭酸イオンを計算する。これは補正重炭酸イオン=重炭酸イオン+ΔAG(ΔAG=AG-12である)で計算され、これは代謝性アシドーシスを来たした陰イオンの増加分がなかったと仮定した場合の重炭酸イオンの値である。そしてその値をもとに代償性変化が予測範囲内にあるかどうかを検討し、予測範囲外ならばどうような病態が合併したのかを考える。

 ■ AG増加性代謝性アシドーシス
 AGの増加は不揮発酸の蓄積を示す。人間の身体は電気的に中性である。すなわち、陽イオンの価数だけ陰イオンが存在する。陽イオンは主にナトリウムイオンであり陰イオンはクロールイオン、重炭酸イオン、有機酸である。よってAGを以下のように定義すると大雑把に有機酸がどれ位あるのかを把握することができる。AG=ナトリウムイオン−(クロールイオン+重炭酸イオン)である。正常値は12±2mEq/Lである。カリウムイオンを考慮することもあるがその場合は正常値が16前後となる。

 ⇒ アシドーシスとアルカローシス

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