Subject   : 血管内皮増殖因子(VEGF)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 血管内皮増殖因子(VEGF)
 血管内皮増殖因子 (Vascular endothelial growth factor; VEGF)は、血管周囲で産生され、傍分泌により血管内皮に特異的に作用し増殖を促進する(血管形 成誘導因子)腫瘍血管の形成抑制を目的にVEGF中和抗体(ベバシズマブ;アバスチ ン)による癌治療が試みられている。

血管内皮細胞増殖因子は、脈管形成(胚形成期に、血管がないところに新たに血管がつくられること)および血管新生(既存の血管から分枝伸長して血管を形成すること)に関与する一群の糖タンパク。英語の vascular endothelial growth factor から VEGF(ブイイージーエフ)と呼ばれることが多い。その他、血管内皮細胞成長因子、血管内皮増殖因子、血管内皮成長因子などと呼ばれることもある。VEGFは主に血管内皮細胞表面にある血管内皮細胞増殖因子受容体 (VEGFR) にリガンドとして結合し、細胞分裂や遊走、分化を刺激したり、微小血管の血管透過性を亢進させたりする働きをもつが、その他単球・マクロファージの活性化にも関与する。正常な体の血管新生に関わる他、腫瘍の血管形成や転移など、悪性化の過程にも関与している。

1983年マウス腹水から血管透過性を亢進させる物質として発見され、1989年ウシ濾胞星状細胞の培養液から45 kDa(キロダルトン)の糖タンパクとしてVEGF-Aが単離、クローニングされた。

 ■ 
 

 ⇒ サイトカイン

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]  [用語索引]