Subject   : サイトメガロウイルス(CMV)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 サイトメガロウイルス(CMV)
 サイトメガロウイルス(CMV:Cytomegalovirus)は、ヘルペスウイルス科ベータヘルペスウイルス亜科に属するウイルスのひとつで、学名は、HHV-5(human herpesvirus 5)です。

世界中に見られ、どこにでもいるありふれたウイルスで、日本では成人の60〜90%(妊娠可能年齢の女性では、60-70%)は過去にCMVに感染したことがあるといわれています。

過去に感染したことがあれば、ヒトの体内では様々な組織に親和性があるので、体中どこにでもいますが、細胞の中に入り込んでしまうため、免疫の攻撃から逃れやすい性質があります。 これはヘルペスウイルスの仲間に共通する特徴ですが、いったん感染するとウイルスは一生、私たちの体の中に潜んでいます(潜伏感染)。

妊娠・出産などに際して、潜んでいたウイルスが増殖を再開することがありますが(再活性化)、そのために何らかの症状が出ることは通常ありません(不顕性感染)。

<出典:>

 ■ サイトメガロウイルス感染症
 通常はCMVに感染しても症状はみられせん。一般的に、重篤な感染症が発生するのは、 胎児のときに感染した乳児や、 エイズや 臓器移植などで 免疫機能が低下している人のみです。免疫機能が低下している人では、休眠しているウイルスの再活性化がよく起こります

免疫に異常がある方の場合(AIDSの患者さんや臓器移植後に免疫抑制剤を飲んでいる方や、癌で抗がん剤治療を受けている方など)、このウイルスは暴れ出します。
初感染だけではなく、新たに少しタイプの違うウイルスに再感染した場合も、そして、すでに体内に潜んでいたウイルスであっても、問題を起こす恐れがあります。
その結果、失明の危険があるCMV網膜炎 、脳障害を起こす恐れのある脳炎、命に関わる呼吸不全をきたす肺炎(間質性肺炎)、腸や食道への潰瘍または肝炎が起きることもあります。
 ⇒ ウイルスの種類

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