Subject   : 伝搬モード

カテゴリー  : 産業・技術 > 光通信


 伝搬モード
 光ファイバ内に閉じこめられた光が、一定の界分布を保って伝搬するモードのこと。

 光が光ファイバ内を伝搬するためには、光ファイバのコア部とクラッド部の境界面で光が全反射することが必要である。そのため、光の伝搬モードの数は有限であり、反射角の小さい伝搬モードから順に、0次、1次、2次、.....、(N-1)次と名付けられる。 伝搬モードの数によって光ファイバを分類することができる。伝搬モードが複数存在する光ファイバはマルチモード光ファイバと呼ばれる。一方、伝搬モードが一つしか存在しない光ファイバは、シングル・モード光ファイバ、またはSM型光ファイバという。

コア径や屈折率などを適当に選択することによって、複数モードの光が伝搬するように設計された光ファイバのこと。伝搬モードが一つしか存在しないシングル・モード光ファイバと対比される。

 ○ SM型光ファイババ
伝搬モードを一つしかない持たない光ファイバのこと。
シングル・モード光ファイバのコア径は10 μm(ミクロン:1000分の1 mm)と非常に細く、またコアとクラッドの屈折率の差が小さいので、基本モードの光しか伝搬せず、複数の伝搬モードに見られるような遅延時間差は発生しない。そのため伝送損失が極めて小さく、光パルスの広がりが少ない。こうした特徴を生かして長距離、超高速の大容量通信に使われる。ただし、マルチモード光ファイバに比べて、コア径が細いため接続がいくぶん難しい。

 ○ マルチモード光ファイ
コア径や屈折率などを適当に選択することによって、複数モードの光が伝搬するように設計された光ファイバのこと。
マルチモード光ファイバでは、複数モードの光がいろいろな経路でコアの中を伝搬すため、伝搬時間に遅延差が生じる。送信端で短い光パルスを光ファイバに入射しても、長距離を伝搬するうちに伝搬遅延差の影響でパルスの幅が広がってしまう。したがって、このタイプの光ファイバはあまり高速のディジタル伝送には向かない。おおむね100Mbps以下の伝送方式で使われる。屈折率の分布形状から、マルチモード光ファイバは2種類に大別できる。屈折率がクラッド部からコア部の境界で急激に変わるステップ・インデックス(SI)型と、コアの中心で最大の屈折率を有し、クラッド部に近づくに従って屈折率がゆるやかに小さくなるグレーデッド・インデックス(GI)型の2種類がある。
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