Subject   : クマリン (coumarin)

カテゴリー  : 話題のことば > 


 クマリン (coumarin)
クマリン (coumarin) は化学式 C9H6O2 で表される有機化合物。ラクトンの一種。常温では無色の結晶または薄片状の固体。

当初はトンカ豆という植物の種子から分離されていたが、1876年にウィリアム・パーキンが合成に成功。現在では香料および軽油識別剤として用いられている。

クマリンは桜餅の香り成分として知られ、芳香族化合物の一種。シナモンの香り成分のシンナムアルデヒドやコーヒーの香り成分であるコーヒー酸とともに知られている。バニラに似た芳香があり、苦く、芳香性の刺激的な味がする。 (生きている葉の中ではクマリン酸配糖体の形で糖分子と結びついて液胞内に隔離されているので匂いはしないが、これを含むサクラやヒヨドリバナなどの葉や花を半乾きにしたり破砕、塩蔵するなどすると、死んだ細胞の中で液胞内のクマリン酸配糖体と液胞外の酵素が接触し、加水分解によりクマリン酸が分離、さらに閉環反応が起こってクマリンが生成し、芳香を発するようになる。)
・アルコール、エーテル、クロロホルムおよび揮発油に可溶。水に微溶。可燃性。紫外線を照射すると黄緑色の蛍光を発する。
・肝毒性があるために食品添加物としては認められていない。 また、誘導体のワルファリン、クマテトラリル、フマリンはビタミンKと拮抗して抗凝血作用を示すため、抗凝固剤や殺鼠剤として用いられる。

2H-クロメン-2-オン(系統名)
分子式 C9H6O2
分子量 146.15 g/mol
CAS登録番号 [91-64-5]
形状 無色薄片状結晶
密度と相 0.94 g/cm3, 固体
融点 68〜70 °C
沸点 297〜299 °C
 ⇒ ファイトケミカル

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]