Subject   : 脊索動物

カテゴリー  : 学びの館 > 生物学 


 脊索動物
 脊索動物は、消化管と神経管の間に脊索(大きな液胞で満たされた繊維質の組織)というしなやかな棒状の構造を胚の時期に持つ。成体でも脊索を保持する種も存在する。

他の動物門の胚では腹側に神経索ができるのに対し、脊索動物の胚では背側に環状の神経索(神経管)ができ、脳と脊髄からなる中枢神経系に発達する。 消化管は口から肛門まで伸び、胚の時期に咽頭(口のすぐ後ろの領域)の両側に溝のような構造(咽頭溝)ができ、そこに咽頭裂という裂け目ができる。脊椎動物以外の脊索動物の咽頭溝は多くの場合懸濁物食の器官として用いられる。 他の動物門では消化管が体の後端まで伸びているものが多いのに対し、脊索動物では肛門の後ろに尾が伸びており、水生の種では尾の骨格と筋肉を推進に用いる。ただし胚発生の段階で尾が退化する種も多い。

<出典:Wikipedia>

 原索動物ともいい、ナメクジウオやホヤがいる。このような原索動物の化石は、カンブリア紀(5億4200万年前〜4億8800年前)のバージェス頁岩(けつがん)から、ナメクジウオによく似ているビカイアというものが出てくる。中国からは先カンブリア時代(5億4200万年前以前)から、ナメクジウオやホヤの仲間の原索動物と思われる化石も報告されている。
 ナメクジウオはウオとあるが、魚類とはまったく違う、簡単な体のつくりをしている。

 ○ 頭索動物(ナメクジウオ)
 ナメクジウオはウオとあるが、魚類とはまったく違う、簡単な体のつくりをしている。脊索に沿って神経の束はあるが、脳はないといっていいくらいである。心臓もなくひれもない。目・鼻・耳といった感覚器官もない。しかし、体中に光を感じる器官(光受容器)があって、光には敏感である。日本の一部の生息地(愛知県蒲郡大島、広島県有竜島)では、天然記念物に指定されている。
ガス交換:咽頭裂では殆ど行われず、体表を通して行われる。
採餌:繊毛を使って口から海水を取り込み、咽頭裂の粘膜で海水中の餌を捉えて消化管に送り込む。その際海水は咽頭裂から体外に出る。
移動:脊索の両側にある筋肉を収縮させることにより脊索をしならせ、体を左右に振って移動する。
体長:成体では6センチメートル程度

 ○ 尾索動物(ホヤ類)
 ホヤ(海鞘)は成長すると固着生活に入って動物らしく見えないが(海のパイナップルともいわれる)、幼生はオタマジャクシのような形をしている。尾の方に脊索がある。頭部にある突起で海底の岩などに固着して変態する。雌雄同体である。
幼生期:脊索動物の特徴が顕著であるが、幼生期が数分しかないものもいる
成体:固着性で、幼生期とは著しく姿を変える。尾と脊索は吸収され、神経系も退化。
採餌:咽頭裂から海水を入れ、粘液で海水中の餌を捉える。それを繊毛で食道に運び、水と排泄物が肛門から出水管へと出ていく。
ホヤ類はナメクジウオのもつ13のHox遺伝子のうち4つを失っており、幼生期のボディープランが他の脊索動物とは異なる機構で形成される。
またホヤ類は「他の脊索動物と分岐した後に、成体で脊索動物の特徴を失ったと考えられる」。

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