Subject   : 免疫の記憶

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 免疫の記憶
 生体に抗原を投与した場合、初回よりも2度目の方が速やかに且つ高いレベルのしかも抗原に対しより強い親和性を持つ抗体を生産することが観察されている。これは、B 細胞には抗体を作る為の細胞(effector 細胞)の他に記憶する為の細胞(memory細胞)がある為と考えられている。

 抗原刺激を受け活性したB 細胞は、胚中心を作って記憶細胞になるか、あるいは抗体生産細胞へ分化する。記憶細胞になる過程で抗体 V 領域遺伝子に高率に mutation が入り、抗原に高親和性を持つ Ig変異体が選ばれる。抗体生産細胞は、その後、activationinduced cell death(AICD)と云う機構で95%以上死滅する。記憶 B 細胞は、長い寿命を持っていて、次の抗体刺激が来ると直ちに抗体生産細胞に分化する。CD4+、或いは CD8+T 細胞についても同様な memory機構があると考えられている。

● AICD
 活性化誘導アポトーシス (Activation-induced cell death, AICD)は抗原刺激などによって活性化したT細胞が免疫応答が収束する際に起こる細胞死で、炎症の重要な制御機構である。. このアポトーシスはFas/Fas ligandの遺伝子発現を介して起こっていることが明らかになっている。

 ⇒ 抗原と抗体

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