Subject   : 自己免疫反応

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 自己免疫反応
 免疫寛容の機構が破綻すると、自己・非自己の区別なく免疫応答をする、自己免疫反応が起こります。この免疫反応が続くと、慢性的に炎症が起こります。こうした自己免疫反応のメカニズムは以下の通りです。

自己反応性のヘルパー T1 細胞(Th1)がインターフェロン γ(IFN γ)と IL-17 を放出し、TNF や IL-1 などのサイトカインを放出するマクロファージを活性化し、局所的な炎症を引き起こす。 自己反応性の細胞傷害性 T 細胞(Tc)が広範囲の組織にダメージを与える。 不適切な T 細胞応答により自己反応性の B 細胞クローンが増殖し、自己傷害性の自己抗体(Autoantibody)を産生する。

自己抗体が補体系を活性化して炎症を引き起こし、細胞表面上のホルモン受容体や神経伝達因子受容体を介したシグナル伝達を阻害し、また血中の抗原と結合して無用な複合体を形成する。

免疫システムは理論上どのような物質に対しても応答する能力があるので、自己由来の物質に反応する T 細胞や B 細胞が産生されることによる自己免疫反応が起こるのは、ある意味当然のことです。このような自己免疫反応に対する防御のシステムとして、クローン消失に代表される免疫寛容は極めて重要です。

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 ⇒ 抗原と抗体

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