Subject   : 交差反応性T細胞(記憶型T細胞)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 交差反応性T細胞(記憶型T細胞)
 新型コロナウイルスなど初めて我々が遭遇する病原体に対する記憶型細胞は、未感染者には通常存在しないと考えられる。しかし、風邪症状を起こす他のコロナウイルスの記憶型T細胞の一部が、新型コロナウイルスにも反応しうる(=交差反応)ことが報告されている。未感染者がもともと持っているこの交差反応性T細胞の数や性質の違いが、COVID-19の症状の地域差、年齢差、個体差を生む一因となる可能性が指摘されている。

COVID-19では、高齢者が重症化しやすいことから、加齢によるリスクファクターがあるのではないかと考えられています。しかし、その実態は必ずしも十分に理解されていません。一般的にウイルスに対する免疫応答はT細胞が中心的な役割を果たし、ヘルパーT細胞とキラーT細胞が協調して働くことが、新型コロナウイルスの制御と排除に重要であると考えられています。そこで研究グループは、新型コロナウイルス未感染者がもともと持っている新型コロナウイルス反応性T細胞について、若齢者(20代前半)と高齢者(70代前半)を比較しました。その結果、新型コロナウイルス反応性T細胞のうち、ヘルパーT細胞については、若齢者と高齢者との間で数や分化段階について大きな違いは見られませんでした。また、その大部分がすでに記憶型T細胞になっていたことから、私たちの体内にある新型コロナウイルスに反応できるヘルパーT細胞は、過去に感冒コロナウイルスなどへの感染により、交差反応性T細胞として体内に存在していることが分かりました。

<出典:京都大学>

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 ⇒ 抗原と抗体

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