Subject   : ORF(オープンリーディングフレーム)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 ORF(オープンリーディングフレーム)
 分子遺伝学において、オープンリーディングフレーム(open reading frame、ORF)とは、翻訳される能力を持つリーディングフレームの部分のことである。ORFとは、開始コドン(通常はAUG)で始まり、終止コドン(通常はUAA、UAG、UGA)で終わるコドンの連続した一続きである。ORF(必ずしも最初のものとは限らない)内のATGコドン(RNAで言うAUG)は、翻訳が開始される場所を示している可能性がある。転写終結部位は、ORFの後に、翻訳終止コドンの先にある。もし、転写が終止コドンの手前で止まると、翻訳時に不完全なタンパク質が作られる[3]。複数のエクソンを持つ真核生物の遺伝子では、転写後にイントロンが除去され、エクソンが結合されて、タンパク質翻訳のための最終的なmRNAが生成される。イントロンには停止コドンが含まれていたり、リーディングフレーム間のずれが発生する可能性があるため、遺伝子予測(gene prediction)においては、ORFの開始-終止の定義は、ゲノムDNAではなく、スプライスされたmRNAにのみ適用される。別の定義は、ORFは3で割り切れる長さを持ち、終止コドンで囲まれた配列である。この、より一般的な定義は、トランスクリプトミクスおよび(または)メタゲノミクスの分野においても有用であり、得られた配列に開始コドン/終止コドンが存在しない場合もある。このようなORFは、完全な遺伝子ではなく、遺伝子の一部に対応する。

オープンリーディングフレーム(ORF)の一般的な用途の1つは、遺伝子予測を支援するための根拠の1つである。長いORFは、他の根拠とともに、DNA配列内のタンパク質翻訳領域や機能性RNA翻訳領域の候補を最初に特定するためによく使用される。ORFがあるからといって、その領域が常に翻訳されるとは限らない。たとえば、各ヌクレオチドの割合が等しいランダムに生成されたDNA配列では、21コドンごとに1回の終止コドンが予想される。

<出典:>

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 ⇒ 抗原と抗体

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