Subject   : ビトロネクチン(vitronectin)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 ビトロネクチン(vitronectin)
 ビトロネクチン(vitronectin)は、血液や細胞外マトリックスに存在する糖タンパク質で、細胞接着・細胞進展を促す細胞接着分子である。組織形成維持、血液凝固線溶系、免疫補体系、組織修復、癌転移、神経細胞の分化や突起伸長で重要なはたらきをする。

ビトロネクチンは、主として肝臓の肝細胞で合成される。シグナル配列(signal sequence)をもつので、細胞外に分泌され、血液に乗って体内を循環する。血液中の血清に存在する。

ビトロネクチンmRNAは、肝臓以外に、肝臓に比べると発現量は少ないが、脳、心臓、骨格筋、胎盤、肺、精巣、そして胸腺に発現する。これらのビトロネクチンはその組織の細胞外マトリックスに存在すると考えられる。

<出典:Wikipedia>

 ■ 活性と生体内機能
 血液中のビトロネクチンは、組織損傷部位などで活性化され、血液凝固・線溶系のタンパク質であるPAI-1やプラスミン結合し、その活性を調節する。血液凝固・線溶系の調節に関与し、組織修復機能があると考えられる。 ビトロネクチンは細胞膜上のインテグリンと結合して、細胞接着・伸展を引き起こすので発生時の組織形成、また、癌細胞の転移に関連すると考えられる。 補体の膜侵襲複合体(C5b-9 complex)に結合し、細胞溶解を阻害するので、生体防御系の調節機能がある。 神経細胞の分化や突起伸長に関与している。吉原良浩は、終脳ではビトロネクチンがtelencephalin(ICAM5、Intercellular adhesion molecule 5)に結合し、ezrin/radixin/moesinをリン酸化し、細胞内情報伝達系を活性化することで、樹状突起形成に関与することを発見した。
 ⇒ 細胞外マトリックス

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