Subject   : 抗NMDA抗体

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 抗NMDA抗体
 抗 N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体(R)抗体 神経伝達物質の中で、主に興奮性の刺激を伝える主要な物質にグルタミン酸というものがあります。このグルタミン酸の刺激を受け取る側の細胞には受容体があり、その一つにNMDA受容体があります。抗NMDA受容体脳炎は、何らかのきっかけで患者さん自身の免疫システムによりこのNMDA受容体をターゲットとする自己抗体が産生されることで発症する自己免疫介在性の脳炎の一つです。

<出典:>

 ■ 抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体脳炎
 抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体脳炎は、2007年に、ペンシルバニア大学のDalmau教授らによって提唱された「卵巣奇形腫関連傍腫瘍性脳炎」であり、グルタミン酸受容体の一つであるNMDA受容体を構成しているNR1 subunitの細胞外抗原(GluN1)に対する抗体(抗GluN1抗体)を介して発症すると考えられている自己免疫性脳炎です。

若年女性にみられることの多い抗 N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体(R)抗体脳炎は、NMDA 受容体に自己抗体ができることよる急性型の脳炎で、卵巣奇形腫との関連が指摘されています。本疾患は、感冒様症状の後、精神症状で初発し、意識障害、痙攣、不随意運動や自律神経症状を呈し、呼吸ができなくなり、人 工呼吸器による管理を受けることも多く、治療が効きづらく病状が長期におよび、死に至ることもある疾患です。
 ⇒ 抗原と抗体

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]  [用語索引]  [前のページに戻る]